山縣正幸のProfile
略 歴
1976年12月 生まれ(やぎ座)
関西大倉高等学校(1995.3)
関西学院大学商学部(1999.3)
関西学院大学大学院商学研究科(2004.3;単位取得退学)
博士(商学):関西学院大学(2008.3)
職 歴
奈良産業大学(現・奈良学園大学)経営学部専任講師(2003.4)
同学部助教授(2006.4)
同大学ビジネス学部准教授(2007.4)
近畿大学経営学部准教授(2009.4)
近畿大学経営学部教授(2017.4)
研究領域
☆経営学史(特に,ドイツ語圏の経営学説)
☆企業発展の原理的考察
☆サービスデザインと価値創造をめぐる理論的考察
【研究成果】
(1)単 著
『企業発展の経営学 ―ドイツ企業管理論の展開―』千倉書房,2007年(新装版:2010年)
(2)共 著
「ブライヒャー統合的企業管理論の基本思考」経営学史学会編『現代経営と経営学史の挑戦 ―グローバル化・地球環境・組織と個人―』(経営学史学会年報第十輯)文眞堂,2003年,203-213頁。
「企業の包括的枠組としての規範的マネジメント」日本経営学会編『日本型経営の動向と課題』(経営学論集第76集)千倉書房,2005年,196-197頁。
「ハックス」「フィッシャー」中野裕治 / 貞松 茂 / 勝部伸夫 / 嵯峨一郎編『初めて学ぶ経営学 ―人物との対話―』ミネルヴァ書房,2007年,49頁・58頁。
「企業発展と持続可能性 ―ドイツ企業におけるCSRの規範的マネジメントへの包摂―」片岡信之 / 海道ノブチカ編『現代企業の新地平 ―企業と社会の相利共生を求めて―』千倉書房,2008年,第6章。
「ドイツのコーポレート・ガバナンスの意義と課題」海道ノブチカ / 風間信隆編『コーポレート・ガバナンスと経営学 ―グローバリゼーション下での変化と多様性―』ミネルヴァ書房,2009年,第9章。
「コーポレート・ガバナンス」深山 明 / 海道ノブチカ編『基本経営学』同文舘出版,2010年,第12章。
「道徳的創造性と協働における多様性 ―バーナード理論の現代的多様性―」藤井一弘編『バーナード』(経営学史学会叢書 第IV巻)文眞堂,2011年,第5章。
「中小企業のコーポレート・ガバナンス」足立辰雄編『サステナビリティと中小企業』同友館,2012年,第8章。
「経営維持から企業発展へ ―ドイツ経営経済学におけるステイクホルダー思考とWertschöpfung―」経営学史学会編『経営学の再生 ―経営学に何ができるか―』(経営学史学会年報第21輯),2014年,16-32頁。
「会社経営の理念と仕組み」足立辰雄編『ビジネスをデザインする ―経営学入門―』ミネルヴァ書房,2016年。
(3)論 文
[査読付き論文]
「企業の包括的枠組としての規範的マネジメント ―ブライヒャー企業管理論の中心問題―」『日本経営学会誌』第16号。
「ステイクホルダー型企業理論としてのニックリッシュ・モデル」『日本経営学会誌』第36号,2015年。
[査読なし論文]
「統合的企業管理論の基本構想」『関西学院商学研究』(関西学院大学大学院商学研究科研究会)第49号,2001年,223-238頁。
「ブライヒャーの企業理念論」『関西学院商学研究』第50号,2002年,175-195頁。
「企業政策論の基本思考」『関西学院商学研究』第51号,2002年,167-186頁。
「企業政策の形成過程」『商学論究』(関西学院大学商学研究会)第50巻第3号,2003年,85-101頁。
「統合的企業管理論における企業体制」『関西学院商学研究』第52号,2003年,103-121頁。
「トップ・マネジメント機関の形成 ―企業体制の形成理論(上)―」『産業と経済』(奈良産業大学経済経営学会)第18巻第4号,2003年,473-490頁。
「統合的企業管理論における企業文化」『産業と経済』第20巻第2号,2005年,61-80頁。
「ヨーロッパ統合とドイツ企業経営 ―現代ドイツ企業管理論の生成背景―」『産業と経済』第21巻第1号,2006年,33-55頁。
「企業発展とトップ・マネジメントの役割 ―「規範的マネジメント」論の意義をめぐって―」『産業と経済』第21巻第2号,2006年,119-139頁。
「ドイツ型企業モデルの基本的特質」『社会科学雑誌』(奈良産業大学社会科学学会)第1巻,2008年,59-86頁。
「価値創造過程としての企業 ―コジオール学派における動態的企業観をめぐって―」『商経学叢』(近畿大学商経学会)第57巻第2号,2010年,123-153頁。
「企業用具説の基本思考」『商経学叢』第58巻第2号,2011年,281-297頁。
「価値動態としての企業 ―コジオール学派の諸理論の再構成―」『経営哲学』(経営哲学学会)第9巻第1号,2012年。
「価値の動態としての企業」『経営学論集』(日本経営学会)第83集,2013年。
「動態的主観主義にもとづく企業理論の可能性」『商経学叢』経営学部開設10周年記念論文集,2013年,523‐554頁。
「価値創造の成就としての企業発展」『商経学叢』第61巻第1号,2014年,123-149頁。
「ニックリッシュ学説の再検討 ―規範学派か?―」『商経学叢』第61巻第3号,2015年,195-238頁。
「価値創造過程とステイクホルダー ―ニックリッシュからコジオール学派への展開―」『商学論究』(関西学院大学商学研究会)第64巻第3号(海道ノブチカ博士記念号),2017年,193-223頁。
「企業発展とビジネス・リーダーシップ:ブライヒャー統合的企業管理論の意義」『商経学叢』第64巻第2号,2017年,219-246頁。
「価値創造メカニズムのデザイン:バッハらの所説を中心に」『商経学叢』第64巻第3号,2018年,311-343頁。
「価値循環,組織経済,サービスデザイン:ステイクホルダー志向的価値創造モデルの理論的基礎」『経営哲学』第15巻第1号,2018年,47-51頁。
「方法としての経営学史:経営学史と協同的実践」『商学論究』第66巻第3号(瀬見博博士記念号),2019年,123-156頁。
山縣の研究テーマ・方法(2019年3月現在)
1. 理論・学説の批判的・建設的検討
山縣の基本的な研究領域は〈経営学史〉です。これまでに提示されてきた経営に関する理論や思想などを、当時の状況を踏まえつつ、現代に活かすためにどう捉え返していけばいいのかについて考えています。そのなかでも主たる専門テーマ領域は〈ドイツ語圏における経営学説〉です。特に、ニックリッシュ(Nicklisch, H.)によって提示された〈価値循環〉という枠組を現代にどう活かしていくのかに関心をもっています。
ちなみに、「山縣ゼミって何してんの?」のページで説明している価値動態(Value Dynamics)という概念枠組は、ニックリッシュとそのあとに展開された諸理論をベースに、山縣が考察を加えたものです。
2. 理論・学説の験証(経験的考察)
経営学に限らず、理論や思想は必ず現実との関連において生まれてきます。その点を無視して〈経営学史〉を論じても、あまり意味はありません。そこで、できるかぎり理論や思想を現実事象によって験証するようにしています。対象となる現実事象は、理論や思想が生まれた当時の事象であることもありますし、時代を超えてどこまで適用可能かという意味において、現在の事象であることもあります。
3. サービスデザインの理論的(経営学的)基礎づけと実践
近年、ビジネス実践において〈デザイン思考〉が急速に注目されるようになっています。この〈デザイン思考〉においては、最終的なユーザーにとって魅力ある経験=ユーザー・エクスペリエンス(UX)を実現するためのプロセスを描き出すこと、そしてそのプロセスにかかわってくることになるステイクホルダーとのやり取りを描き出すことが重要となります。これは、〈価値循環〉〈価値動態〉の枠組ときわめて近いものです。
この点について,ゼミでのプロジェクトなどとリンクさせて,私自身も考察を深めていく予定です。
4. 価値循環事象(ビジネス事象)の美学的 / 感性論的アプローチの可能性の探究(2019.08.24追記)
こんなことを書くと、「何それ?」って問い詰められそうですし、また「美しいビジネス」について研究していると捉えられてしまいそうですが、そういうわけではありません。価値の創造や交換、その連鎖として生じる価値循環の実態において、感性的な側面はきわめて重要な意味を持っています。実際に、「あ、この商品イイ!」って思ったり、あるいは「このメンバーで、こんな感じで仕事してるのがすごく心地いい」って感じたりすることって、あると思います(もちろん、逆の場合もあるでしょう)。そういった感覚になるのは、いったいなぜなのか。
そのメカニズムや、感じてゆくプロセスを明らかにしたい、というのがコレです。
ビジネス事象それ自体は、きわめてリアルです。そのリアルから感じられる〈実感:actuality〉は、そのリアルとどうつながりあっているのか。そして、どうそのリアルから立ちのぼってくるのか。
こういった点に関する研究は、ほとんどなされていないといっていいでしょう。サービスデザインに関する研究&実践と並行して、これから研究を進めていく予定です。
[個人ブログ(note)]
研究雑感とか、その他もろもろは、以下のnoteにときどき書いてます。ご興味ある方は。⇩